作文「おかあさん」を読んだ

このブログは母の日に紹介するつもりであったが、先日30数年ぶりに会った2人の友人に私のブログを紹介しようと思うので、今回家庭的な話題をとりあげてみた。


以前、私が入院していた病院の5階から2階に下りてみると、患者や待合者用にと百冊程度の本が置かれてあった。PHP研究所の「小さいサムライたち」(吉岡たすく著/S49.10.15初版、S51.12.10第7刷)という、小学校の先生が子供たちの様子を記した冊子があった。他にも何冊か手にして部屋に戻り、読んでみた。


この中で、母の日にあたり先生と約束をした少女の作文があり、それを紹介したい。
ひらがなが多いことから3年生くらいと思われる。
しかし、冒頭のあいさつ文に
「わたしも、げんきです。ごあんしんください。」
とあるのは、この子は一体どういう子だろう、と少し驚いてしまう。
中盤を読み進むと、こどもらしい状況が続いていくのだが、
最後の2節で、何とも言えない心情に捕われ、余韻が残ったのである。

敢えて余分なことを言わせてもらうならば、
この作文は、そのまま小さな1冊の児童書になる価値がある。
今は五十に近い年齢になっていてどこかにお住まいになっているヨシコさん
私に力があるならば、本にしてあげたいです。
すてきな作文をありがとう。


「おかあさんありがとう」  ヨシコ

 先生、こんにちは、おげんきですか。わたしも、げんきです。ごあんしんください。

あさ、目がさめました。
母の日です。

わたしは、先生とのやくそくを思い出しました。
それで、かおをあらって、おかあちゃんのとこへいきました。

 いおうとしたら、よこにおとうちゃんがすわっていました。
かあちゃんにいうて、おとうちゃんにいわなんだら、おとうちゃんが、きをわるくすると思って、いいませんでした。

 あさごはんのときは、みんないっしょですから、はずかしくていえません。
 おかあちゃんが、ひとりになったら、いおうと思って、おかあちゃんのうしろをついていきました。
そしたら、おかあちゃんが、
『うしろばっかりこんと、あっちへいけ』といいました。

 ひるごはんのときも、だめです。
ひるから、おかあちゃんは、よそへいきました。

 ばんごはんのときも、いえません。
それで、ねるときにいおうと思って、ねまきをきていました。
そしたら、やっぱりよこに、おとうちゃんがすわっていました。

 わたしは、先生とのやくそくが、まもれませんでした。

それで、ねまにはいってから、
ふとんをあたまからかぶって、
だれにもきこえないような、
ちいさなこえで、
ひとりで、
『おかあちゃん、ありがとう』
といいました。
そしたら、
かあちゃんのゆめをみました。

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